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シンジ君 再開 シンジ7

二年の終わり
師匠の竹山さんは留年が決定した。留年を機に就活をする事にしたそうだ。
ミサネェは入社式の後すぐに始まる企業研修を東京で受け、その後はそのまま東京勤務か大阪に配属されるとの事だった。
それでもエアラインを諦めた訳ではないらしく、中途採用や第二新卒採用の募集がある限り応募するとの事だった。
僕とエリカのクラスはまた三人辞める事になった。
ハルホはというと年上の彼氏とはつかず離れずの関係のままで新たにバイトを始めたそうだった。イトーガーデン近くのケーキ屋で週に三回のバイトだとの事だった。世話好きの中学時代の友達がわざわざ教えてくれた。

「ジャンコクトーの個展が大丸ミュージアムであるよ。チケット貰ったからシンジ君行こうよ」

「うん、それじゃ土曜日に学校がハネたら行こうか」

学校の帰り道にエリカと約束をする。

「それと関係副詞がわかんないんだよ、今度見てよ」
「エッ。私も文法を解説するのは苦手だよ。なんでって説明出来るかなぁ?でも、頑張ってみるね」

その後…何故か立花ハジメやショコラータ、高木完やミロの話になり中川比佐子は微妙だが、甲田美也子は本物だって話になった。

エリカを送り届けてから僕は家に帰り、図書館で借りてた本を返しに行かなくてはならない事を思い出し…エリカに電話した。
「図書館で借りてた本、もう返した?」
「ううん、まだだよ。明後日迄だよね?」
「もう読んだ?読んだんなら返しに行こうか?ちょうど今から返しに行く所だから、寄ってくよ」
「いいの?うれしいけど、寒いよ。」
「ベスパだったらすぐだから。それじゃ直ぐに行くね」
僕は電話を切るとコートを羽織り、ベスパのキーと本を入れたリュック、ヘルメットを持って階段を降りた。
母親に図書館に行く事を伝えるとビゴの店でバゲットを買って来るように頼まれた。
ガレージでベスパにキックを入れる。何度目かのキックでエンジンが掛かる。シャッターを開け、僕はベスパを押しだした。
寒気が容赦なく僕の頬を突き刺す…勇気がないとエリカの家に行くのさえ諦めそうになる。
数分後エリカの家の前に着くと同時にエリカが玄関から出て来た。
「シンジ君ありがとうね、一緒に行かなくていいの?」
「走ってついてくる根性があるんだ?」
エリカは頭を横に振った。
「寒いから早く部屋に戻りなよ」
「うん、気をつけてね。」

僕は本を受け取るとエリカが風邪を引かない為にも直ぐにベスパを走らせた。

国道二号線を過ぎ、阪神打出駅近くのバイパスを抜け図書館に行く。途中で左に折れてから43号線を渡る。一瞬左手に見えるケーキ屋をチラッと見た。女の子が店番してるのは判ったが、その子がハルホかどうかはわからなかった。そのまま直進して僕は図書館に向かった。
図書館に着いて本を返却すると僕は急いでベスパに戻った。
−何でアッチの道なんか使ったんだろう…。−
そんな事が頭を過ぎったが、気にしない事にして図書館近くのビゴの店に向かった。
バゲットをリュックに突き刺して僕はベスパに跨がった。
−今度は真っ直ぐに帰ろう−
僕は芦屋川沿いに家に戻った。家に着いた僕はエリカに電話をした。エリカはココアの準備をして待っててくれていたみたいだった。部屋が暖まるのを待ってコートを脱いだ僕はステレオをつけた。CDを入れる。
とりあえず晩御飯まで課題をする事にする。

夜遅くにミサネェからのベルが鳴った。少し考えたけど番号に電話を掛ける。
「シンちゃん、久しぶりだね。」
「あっ…はい。…ですね。」
「今ねぇ、荷造りしてたのよ。それで要らない服とか沢山あるからエリカちゃんにあげようかなって思って。」
「……。」
「…シンちゃん、聞いてる?」
「あっ…はい。聞いてます。めっちゃ喜びますよ」
僕は…複雑な気持ちだったが、そう答えた。
「さすがに社会人になったら着る機会がなくなるとか…あるんですね」僕の精一杯の返事だった。
「まぁねぇ研修中や勤務中はスーツになるからねぇ。それに髪とかも大胆にイジレないだろうからね」
「いつ出発なんですか?」
「20日過ぎに一度出てガイダンスと入社式があって1日から研修があるからそれまでに一旦戻って来るよ」
「……。」
「シンちゃん淋しい?」
「そ…そりゃ淋しいですよ」
「でも…ホントはホッとするでしょ?」
本当は…本当にホッとする筈…なんてなかった。
「いや、本当ですよ!……って」その先が続かなかった。
ミサネェの事が嫌いな訳なかった。多分。好きだった…しかし、好きの種類が違う気がした。…自分で自分に違うと思い込ませていたのかも知れなかったけど、よくわからなかった。
「それにゴールデンウイークには帰省するよ。予定ないし。まぁ配属が東京に決まれば、それこそ荷物を纏めなきゃならないしね」
「なんだか淋しいですね」
「環境が変わる、変えるのもいいかも。私自身が決めた事だしね。それにシンちゃんが東京の大学に行って私が大阪勤務になったらまた離れちゃうし。」ミサネェは明るい口調で話した。

「シンちゃんは保守的になったのかな?それともおセンチさんになっちゃった?」
「どうかな?自分ではわからないです。正直…自分の事で精一杯だし、自分勝手な言い草ですね。」
「…でも、淋しいです。」
ミサネェは少しの沈黙の後、
「もう少しなら…待てるよ。」
「えっ?」
「そうそう、途中だった!荷造りしなきゃ。」ミサネェはそう言うと明日か明後日の晩に不要品を僕の部屋に届けると言って電話を切った。

−もう少しなら…−僕は心の中で何度もミサネェの言葉を反芻した。

次の日の学校帰りにエリカにミサネェがエリカに不要品をくれるって話をした。
「ホントに貰ってもいいのかなぁ?シンジ君はどう思う?甘えちゃってもいいのかな?」
「うん、ミサネェの事だからホントに鍋のふたとか押し付けるかもよ」
僕の話を聞いたエリカは少し間をおき、笑い出した。
「ミサさんはセンスいいからホントに鍋の蓋とか…って!」

「…うん。」
「ミサさん…いなくなると淋しくなるね。シンジ君のよき理解者なのにね」
「ミサさんにお礼も含めて何かプレゼントしなきゃね。何がいいかな?」
「仕事で使えそうなのか…暇つぶしになるものか…」
僕もエリカも社会人に必要な物って何なのかわからなかった。そもそも社会人の意味がわからなかった。
「万年筆とか?」
「うーん、万年筆はミサさんは使わないよ、ハンカチ?スカーフ?」
「それいいかも!」

「社会人になる事が大人になるって事じゃないよね?」
「うん…多分、違うと思う。シンジ君は?」

「わかんないよ。でも、まだまだ僕は子供なんだって事だけはわかるよ」僕の言葉を聞いたエリカはそっと僕の手を握ってくれた。
エリカの手は暖かく、そして優しかった。

「でも…少し…寂しいね。」エリカは…そう呟いた。
大人になる事って得る物も多いけど、棄てる物も…多い。選択をする事が大切なんだと思った。僕はエリカに…そう伝えた。
「シンジ君が大人になる為に私を捨てたら淋しいな…」
「いや、有り得ないよ。それだけは有り得ん」
「一緒に大人になれば大丈夫だよね?」
僕は頷いた。頷いたけど内心−大人になれないのは僕だ−そう思った。

結局…その日はミサネェへのプレゼントは決まらなかった。
ミサネェの送別会には50人以上集まった。勿論、留年が決まった竹山さんも就活の帰りらしくスーツ姿で駆け付けた。
僕とエリカも大人たちのパワーに圧倒されていた。
「ミサさんは人気者だから神戸からいなくなると寂しいね」
「そうだね…でも世界が終わるわけでもないし、ミサネェが死んじゃう訳でもないからね」
僕は多分、…自分に言い聞かせていた。
「…シンジ君は特に寂しいんじゃない?」
「だって、お姉さんだもんね
僕は一瞬自分の心が見透かされているのかも知れないって思った。
僕とエリカが端の方でしんみりしていると竹山さんがやってきた。
「おいシンジ!淋しいな?そう思わん?」
「えぇ…淋しいっすね」
「エリカちゃん、それはミサへの餞別?それとも留年した俺へのプレゼント?」エリカが膝の上で大事そうに抱えているプレゼントを見て竹山さんが笑いながら話しかけた。
「あっ…ミサさんへの餞別です」
「あっそう?そんじゃ渡しておいで。シンジは預かってるから。ミサはもう酔ってるから早くしないと渡せないよ」
エリカは竹山さんに促されて慌ててプレゼントを持って人込みの中へ飛び込んでいった。
竹山さんは笑顔でエリカが向かった方向を見ながら僕に話しかけた。
「やっぱ東京に行くんか?」
「…まだ確定してませんし…でもそのつもりです」
「俺な…」
「…」

竹山さんはミサネェに再度アタックをした事、答えが聞けずじまいだった事、自分を見失って学校に行かずに留年した事なんかを端的に話した。
僕はといえば聞く事しか出来なかった。
「お前…ミサと…」竹山さんはその後の言葉を飲み込んだ。
暫く沈黙が続いた。エリカが赤い顔をして戻ってくるまで沈黙は続いた。
時計を見ると11時だった。僕は竹山さんにエリカを連れて帰る事を伝え、二人でミサネェのいる所へ挨拶に行った。
ミサネェは僕らに笑顔で戴き物のカラーの束から2本抜きとって僕らにプレゼントしてくれた。
「エリカちゃんもシンちゃんもありがとね♪エリカちゃん、シンちゃんを……ね」
喧騒の中、僕もエリカも最後まで聞き取れなかった。
「ミサネェも頑張って下さい。じゃぁ帰ります、また連絡下さい。」
僕とエリカは他の連中にも挨拶しながら輪から外れた。最後に振り返るとミサネェが一気飲みをしていた。

「大丈夫だね、ミサさん」
「うん。楽しみの方が大きいよ、きっと」
僕らは手を繋ぎながら中華街を抜けて元町駅に向かった。
「綺麗な花。真っすぐで…まるでミサさんみたい」
エリカはそう言いながらカラーを眺めていた。
僕の貰ったカラーは…グネッと曲がっていた。

ミサネェからの連絡がポケベルに入ったのは三月も終わりの時だった。

春休みは連日エリカと僕の部屋で受験勉強をしていた。陽射しが暖かい時は芦屋浜の図書館に本を借りに行き夕方までテトラポッドで本を読んだりウォークマンでスネークマンショーを聞いたりしていた。
エリカは伊武雅刀の「急いで口で吸え」が好きらしく、何度も聞いていた。

ミサネェからのベル…すぐに受話器をとり電話をかけた。
「あっ、シンちゃん。よかったぁ。明日には東京なのよ」
「あっ、そうなんですか?」
「なにソレ?なんだかつれない返事ね」
「いや…そんなんじゃないです」
僕は動揺していた。
「荷物がかなりあるのよ」
「はい?」
「エリカちゃんにあげようっと思って。とりあえず今から車でほうり込みに行くからね」
「あっ…すいません」
僕は電話を切った後…時計を見た。まだエリカの家に電話を掛けても怒られない時間だった。
………。
僕はエリカに電話をする代わりに簡単に部屋の片付けをした。
30分程で車の音が聞こえた。窓から覗くとミサネェの車だった。急いで階段を下りて玄関を開ける。
ミサネェは窓を開けるとトランクを指差した。
トランクを開けるとゴミ袋が五つもあった。
「とりあえずゴミ袋だけど勘弁してね」
僕とミサネェはゴミ袋を抱えて二階に運んだ。
「シワになるから袋から出すよ。」
僕が下に荷物を取りに下りてるとミサネェは声をかけて荷解きを始めた。
僕はミサネェが荷解きをしている間に甘めのカフェオレを作った。
「暫く服買わなくて済むんじゃない?」
「いいんですか?こんなに?」
「趣味じゃないのや着れないのはフリマで捌いてよ」
「いや…めちゃくちゃ喜びますよ」

キテル━━━━━!!!!

「エリカちゃんに着て貰いたいのよ。ライバルだしね」
ミサネェは少しだけ淋しそうな顔を見せたが、すぐに陽気に
「まぁ着こなすには時間がかかるかも知れないけどね」
その時の僕はどんな顔をしていたのだろう…押し潰されるような気持ちだった。
「ねぇシンちゃん、ドライブ行こう」
「い…今からですか?」
「いや?」
「嫌じゃないです。でも明日…早いんじゃないですか?」
「大丈夫♪襲ったりしないから」
ミサネェは嬉しそうな表情で笑いながら…そう言った。
「ちょい待ってて下さい。」僕は部屋にパーカーを取りに戻った。
ミサネェはもう階下に下りていた。
鍵を閉めて車に向かうとミサネェはエンジンをかけた。
「海、山…どっち?」
「うーん、山で」エリカとよく海に行ってるからか、山を選択した。
「オケー、芦有にしよう」
ミサネェは静かに車を出し、芦屋川沿いに車を登らせた。
カーステからマーヴィンゲイが流れる。
僕は必死に言葉を探したけど…見つからなかった。
恐らくミサネェも言葉を探していたに違いなかった。
僕とミサネェは無言のまま…芦有に入った。

テープが終わりB面に切り替わる。ジャネットケイのシリーゲームがかかる。明るい曲調なのに悲しい歌に聞こえる。

何かを話さなきゃいけないのに言葉が見つからない…もどかしい筈なのにミサネェが話しかけるのを待っていた。

車を展望台に停め、僕はコーヒーを買いに自販機に走る。
「シンちゃんありがとうね」
「いえ、外はまだ寒いですよ」
ミサネェはエンジンを止め、コーヒーのプルタブを引いた。
僕はミサネェがコーヒーを飲むのを見ていた。
「…シンちゃんも三年生になるのよねぇ」
「えぇ、まぁ」
「そりゃ私も年をくうはずだわ」
「そんな事ないっすよ。ミサネェは充分若いです」
僕みたいなガキを相手にしてるから…だと思った。
ミサネェはコーヒーを飲んだ。

言葉が見つからない…多分、ミサネェも言葉を探していた筈だった。

「神戸の空気吸わなきゃ」ミサネェはそう言うとドアを開け車の外に出た。
僕も慌てて車を降りた。ミサネェは欄干に肘をつき、夜景を眺めている。僕は少しだけ距離をおき横に立った。
「シンちゃん、背が伸びたねぇ」
「一年で10センチぐらい伸びました」
「いつの間にか追い越されてしまってたね」
そう言うとミサネェは自然な仕草で僕に寄り掛かるようにした。
「シンちゃんと私のコンビも悪くない筈なんだけどなぁ…」
「……」
ミサネェは明るい声で話しかけるが、僕は答える事が出来なかった。
「でもエリカちゃんがいるからなぁ…二番だわ」
「そんなのに一番も二番もないんじゃないですか?」
「シンちゃんは私の事、嫌い?」
「嫌いな筈ないじゃないですか!」
「私は好きよ。シンちゃんが好き」
「なんなら今すぐ東京に連れていって私が面倒見てもいいよ」
僕は何も言えなかった。
「でもね、私はエリカちゃんも好き。かわいらしいし、何よりもシンちゃんの事を大切に思ってるから」
「…」
「エリカちゃんの前の彼女…名前、なんだっけ?どうしてる?」
「ケーキ屋さんにいますよ」
「そうじゃない、完全に切れたの?」
「そう…だと思います」
「だったらいいけど…」

「優柔不断ですね、僕」
「そこがシンちゃんの優しさでもあり、悪い所だね」
「シンちゃん…二番は許すけど三番は許さないからね。それにエリカちゃんを泣かせたらダメ。泣かせるぐらいなら嫌われなさいよ」
ミサネェが本当に言いたい事が痛い程に胸に突き刺さった。
「そろそろ帰ろうか?明日は朝一だしね」
「はい…」
本当は帰りたくなかった。ミサネェに突き刺された刺を抜きたかった。
僕がミサネェを見た時、ミサネェの目から大粒の涙が溢れていた。
「泣いてもいいですか?」
「いいぞ、思う存分泣きたまえ…少年」ミサネェは僕をギュッと抱きしめて…答えるのが早いか大声で泣きだした。
「シンちゃんゴメン、ごめんね」
僕は声には出せなかったけど激しく泣いた。そしてミサネェを抱きしめた。
「僕の方こそごめんなさい」
ひとしきり泣いた後、ミサネェと僕は笑いだした。
「バイバイのキスは?」
僕はミサネェの背中に手をまわし、深いキスをした。
………。
………。
「シンちゃん、キスがうまくなったね」
「そんな事ないです」
帰りの車の中はそれまでの沈黙が嘘のように、二人で話をした。ミサネェの会社の事、僕の受験の事。受験の時は二人ともミサネェの家に泊めて貰う事を約束したりした。

ミサネェに家まで送ってもらい、別れ際にミサネェが
「ゴールデンウイークに一度帰るから。その時はセックスしよ」
「はいはい。必ず帰ってきて下さいよ。待ってますから」僕は軽くミサネェの頬にキスをして車を降りた。
ミサネェの車が見えなくなるまで…僕はミサネェを見送った。
−もしかしたら、もう逢えない−漠然とだけど。そんな気がした。
玄関を開け、部屋に入ると…ミサネェのコロンの匂いがした。居間のドアを開け、エリカへのプレゼントを眺める。
ほとんどの服に見覚えがあった。それだけミサネェと僕が過ごした時間は短くないって事だった。

そして台所の所に洗った後のコーヒーカップと手紙が二通おいてあるのに気が付いた。
一通はエリカへ、もう一通は僕に対してだった。

僕への手紙を開いた。便箋に簡単にだけど優しい字で、エリカを大切にするようにと書いてあった。
その夜はなかなか寝付けなかった…

再開嬉しすぎる
いつの間にか眠っていたらしい…時計を見ると8時前を指していた。
ぼんやりとした意識の中で−起きなきゃ−と、もう一人の僕が呼びかける。部屋を出て洗面所に向かい、いつものように顔を洗う。
いつものように台所に向かい、そこでエリカへの手紙を見つけた。
僕は寝室の横の部屋に向かい、現実を直視した。解ってはいたけど…その部屋は喪失感でいっぱいだった。
僕はパジャマを着替え、朝食をとりに降りた。父親が出掛けた後らしく、食卓には乱雑に新聞が置いてあった。新聞を広げていると母親が
「目玉焼きとバゲットでいい?それともお餅?」と聞いてきたので、僕は餅を選択した。母親は目玉焼きの方が楽だと言う…
−だったら選択させるなよ−そう思ったが、僕は母親に黙って従った。
程なくして紅茶の優しい香とバゲットに塗ったバターの香ばしい匂い、そしてベーコンを焼く音が僕の脳みそを刺激した。
食事をしながらもミサネェの事は頭から離れなかったが、今の僕には何も出来ないし、何もしてはいけない…もう一人の僕が警告していた。

食事を終えて片付けをしていると母親が芝居を観に行くとの事で、慌てて用意をしていた。僕は片付けが終わると母親に頼まれた洗濯物を干す作業に従事した。
終わる頃に母親にインターホン越しにご飯を7時にセットしておくようにと言われた。
出掛けたのを確認して、僕は時計を確認した。9時を少し過ぎている、受話器を取りエリカに電話した。
電話でミサネェが昨夜遅くにエリカに服を届けてくれた事を伝える。エリカはびっくりしていたが、片付けしてからすぐに来る事になった。
僕はエリカが来るまで…ベッドで横になっていた。
おれ再開して泣いたんだぜ?キショイよ、おれは。シンジ氏が描く世界とは程遠い青春を送ってたおれにとっては痛く切なく、そして、あたたかい。

10時過ぎにエリカは急いでやってきた。
「ごめんね、遅くなって。コレ。電話をくれた時はちょうど焼いていたから遅くなっちゃったの」エリカはクッキーを焼いて持ってきてくれていた。
「あっ…うん。ありがとう、慌てる事ないのに…」僕はなんだかバツが悪い気分になりながら、クッキーの袋を受け取った。袋は温かかった。
「紅茶にしようか?コーヒー?」
「あっ…いいよ。私がするよ」
「ううん、エリカは服を見に行っておいで。暖房入ってるし」
「うん。ありがとう。じゃぁオーレで」
僕は台所へ、エリカは居間へ向かった。僕がポットを手にとるまでに向こうから小さな悲鳴が聞こえてきた。もちろん嬉しい悲鳴に違いなかった。
そして間髪入れずにこっちに走ってくる足音が聞こえた。
「大変だよシンジ君!あんなにたくさん貰えないよ」
僕はカフェオレを作りながら「ミサネェからエリカに手紙だよ」と台所の小さなテーブルを指した。
エリカは小さく頷くと手紙を読み始めた。ほんの数行だったらしくすぐに読み終えたエリカは手紙を持って僕のそばに来た。
「なんて?なんて書いてあった?」
「うん。読むね。」

TOエリカ
シンちゃんは私が育ててきた秘蔵っ子です。途中で手放す事になっちゃったけどエリカちゃんなら大丈夫だと思います。もしもシンちゃんが迫ってきたりしたら連絡下さい。
すぐにお仕置きします。
それと要らなくなったら教えて下さい、その時は責任を持って再教育します。
服は要らないのは遠慮なしに捨てて下さい。選別する時間がなかったからとりあえず詰めてしまいました。
(後略)
エリカは読み終えると嬉しそうに僕からマグカップを受け取り、僕に手紙を渡した。
「シンジ君に変な事されたらミサさんにチクるもんね。」
僕はさっと目を通したけど、胸が痛かった。

台所は寒いのでカフェオレとクッキーを持って僕の部屋に入った。エリカはカフェオレを飲みながらもそわそわしてるので、「服を見に行っていいよ」と言うと…嬉しそうに飲みかけのカフェオレをおいて向こうに行った。
僕はCDを聞きながらクッキーを食べた。
「クッキー美味しいよ!」
「そう?よかったぁ♪」着替えに夢中らしく…遠くから返事が聞こえるようだった。暫くしてエリカが入ってきた。
「どう?シンちゃん?お姉さんイケてる?」エリカはミサネェの口まねをしながら部屋に入ってきた。
服を着ているのはエリカだったが、大人びた子供がそこにいるようだった。僕は少し吹き出すような仕草をした。
エリカはすぐに部屋に着替えに戻った。
何度も何度も着替えては僕に見せにくる。エリカは嬉しそうだった。ただ、僕の心はエリカの嬉しそうな表情とは裏腹に痛かった。
苦しい程に切なかったが…エリカには言えなかった。

暫くしてエリカが部屋に持ってきた。
「シンちゃん…お姉さんがキスしてあげようか?」
僕は心が見透かされてるような気になった。
そのままエリカが横に座ったので僕はエリカの頬にキスをした。
「早くミサネェみたいにカッコよく着こなさなきゃね」
「気にする事ないよ…」
「ううん…なんだか…ミサさんが本気になったらシンジ君を簡単に取られそうだもん」
「……」
僕はなんて声をかけていいかわからなかった。
「本当はミサさん。シンジ君の事を好きだったんだよ。シンジ君もミサさんの事が好きだったんだよ」
「そ…そんな事ないよ…」僕はそう返事する事でいっぱいいっぱいだった。
「早くシンジ君が夢中になるくらいのカッコイイ女の子にならなきゃ…」
「いや、そんな…十分だよ今で。エリカはエリカだし。気にするなよ」
「うん。ありがとうね」

僕は僕でせいいっぱいだったしエリカもいっぱいいっぱいだったみたいだった。エリカの本当の気持ちはわからないけど…多分複雑だったんだと、思った。
僕にはエリカを抱きしめる事しか出来なかったし、エリカも僕を強く抱きしめた。

僕はエリカを通してミサネェを追い掛けてたのかも知れないし、エリカは僕を通してミサネェを見ていたのかも知れなかった…。果たしてミサネェは…ミサネェは僕らを…どう見ていたのだろう…

その日、初めてエリカの方から…僕を求めてきた…

新学期が始まった。
本来なら受験一色の筈だが、僕らのクラスは気持ちのいい程にのんびりしていた。
卒業後に留学する者、推薦で進学する者が多いせいかも知れなかった。僕は予備校に通う気にはならなかったが、それでもかなり真面目に受験に取り組んでいた。
それでも普通科の受験クラスの連中を見るとシフトチェンジする必要があった。
春休みはほとんどをエリカと過ごしたが、一日だけ千秋達とお花見をした。
芦屋川沿いですると学校の目があり、お酒も飲めないので、夙川でお花見を敢行した。

進学期が始まり暫く経った頃、僕は三ノ宮で偶然にもハルホと遭った。
僕はレコードを買いに行った帰りで、ハルホはバイト帰りだった。彼女はどうやら学校を辞めて雑貨屋で働き出していたようだった。髪を伸ばし、少しパーマをかけていた。大人っぽい雰囲気に最初はハルホだと気付かなかった。

「アレから学校つまらなくなったし…クラブ辞めたら居場所なんてないしね。幸いにも学校が二年までの履修を全部認めてくれたから、大検は受けるし大学には行くつもり。」
アレとは入院の事をさしていて、クラブを辞めた後は例の大学生と遊んでいた…それが悪い噂になって学校にも行きにくい雰囲気だった…らしい。
「そっかぁ…うまく言えないけど。勉強止めるなよ」
「うん。まだ申請してないけど多分受験は4教科か5教科だから。今年で無理でも来年には受かるし。それに一浪したって思えばいいんだしね」
「大検って考えた事ないけど、ハルホが決めたんなら頑張ってほしいよ」

帰りの電車の中、お互いの近況を語った。僕はエリカの事はあまり話さないようにして…ハルホも彼氏の事は話さないようにしていた。それに…お互いそこには触れないようにしていた。

お互い沈黙が怖いらしく隙間を埋めるように…だけど気を使いながら…話をしていた。ただ、二人の関係は遠い昔の過去の話のようだった。

程なくして芦屋駅に着いたけど、僕らはさようならを言い出せなかった。僕は何故かハルホを家まで送って行った。
駅を出てからは電車内の会話が嘘のように二人は無言に近かった。

彼女の家の近くに着いた時、ハルホは
「たまに…勉強教えてくれない?やっぱ…無理だよね」
「えっ?あぁ…無理じゃないけど。教えられるかどうか…」
「嫌ならいいけど…わかんない所、聞く人いないから…」
「あ…俺でよければ…」
頑張れと言った手前、突き放す事も出来ないし…断る理由も見つからなかった。
そんな僕の様子を知ってか知らずかハルホは
「お人形さん…あのキレイな子。元気にしてる?」
「あ…うん。まぁ。元気だよ」
「そっかぁ…」
ハルホはそこまで言うと走りだし、
「送ってくれてありがとう!すぐ電話するね」と電話をかける降りをしながら家に入って行った。

僕はハルホが家に入るのを見届けると、もう一度駅に向かって歩きだしだ。
歩きながら町並みをみていると、少し見ない間に街の雰囲気が変わった気がした。僕の背が伸びたから目線が変わったのか…僕が変わったからなのかはわからなかった。
駅に戻り、今度は自宅に向かった。いつもの町並みは僕を安心させた。少し寄り道をしてエリカの家の前を通る。エリカの部屋に明かりがついていたので、僕は小石を拾い窓に向かって投げた。
コツンと音がしてすぐにエリカが窓から顔を出した。僕は手を降った。
「どうしたの?」
「うん…ちょっと顔が見たくなっただけだよ」
「待っててね…」エリカは窓を閉めるてすぐに玄関から出て来た。
「おかえり、レコードあった?」
「あっ…うん。ゆっくり見てたら遅くなっちゃったよ」
それから玄関先で少しだけ話をして、電柱の陰でそっとキスをして…エリカと別れた。
家に帰り一人分だけ残してあった晩御飯を平らげて僕は部屋に戻った。

買ったレコードは聞く気になれず、そのまま棚にしまい僕は参考書を広げた。

意識しないつもりだったが、久しぶりに会ったハルホの事が頭に浮かんできた。
頭では自分のせいではないと分かっていても、心のどこか片隅では責任を感じていた。
本当は責任を感じても…無駄な事だったし、無意味な事とは分かっているつもりだったが、それでも重かった。

優柔不断な自分を呪い、自分勝手な事を責める事しか出来ないと分かっていても…どこかで逃げ出そうとしている自分がいた。

−いいじゃないか!逃げたいなら逃げ出すのも−

−いつも逃げてばかりで、それでいいのか?−

考えるのは怖かったが、考えない方がもっと怖かった。

ベスパを出して山に行き、叫ぶか?−怠いし、その上ミサネェの事までのしかかるような気がする−
オナニーでもしようか?−必ず自己嫌悪に陥る−

結局僕はとことん悩む事にした。
…それも自分。まずは認めよう、話はそれからだ…
僕はタバコに火をつけて煙りを深く吸い込んだ…。
高三になって最初の模試は現役組には厳しいとは聞いていたが、E判定とD判定しか出なかった。
それでもD判定が出ただけマシな方だった。エリカは英語は満点に近い数字を出していたが現代文はともかく古典は壊滅状態だった。
「あさきゆめみしでも読んでみようかしら?」
「それもアリだけど意味ないよ、きっと」
まぁエリカの場合は帰国子女な上に推薦狙いだったから評定平均を少しでも上げる事に主眼を置けばよかった。同じ大学に入る為には僕の方が努力をしなくてはならなかった。

ゴールデンウイークは一日だけと決めて、エリカと白浜のアドベンチャーワールドにパンダを見に行った。パンダもそうだが、エリカは象に乗れた事がとても嬉しかったみたいで、
「象って意外と毛深いね」なんて言っていた。お土産を買い、特急の中で食べる釜飯を買って待合室に着いた時は少し寂しい気持ちになった。
「もう一度…夏に来たいね」
「うん、夏休みは駅員さんが皆アロハ着ているらしいし。」
「エリカの水着…見たいし」
「……」
エリカは少し俯き加減になり、僕の手をギュッと握った。
「とりあえず、夏休みに来れるように頑張るよ」
僕はそう言ってエリカの手を握りしめた。
電車が来て乗り込み、釜飯を食べると…エリカはすぐに寝てしまった。朝6時に家を出たのだから無理もなかった。
僕は窓に映るエリカの横顔を眺めながら幸せに浸っていた。

新大阪に特急が止まると僕らは東海道線に乗り換えた。エリカは直前まで熟睡していて、起こすのに苦労した。
芦屋駅に着いたのは11時前だった。
ゆっくりと坂道を登り、帰途につく。
「シンジ君ごめんね、帰りはずっと寝てしまっちゃって」
「いや、気にしないで。エリカが眠ってる間…ずっとオッパイ触ってたから」僕がそう答えるとエリカは顔を真っ赤にした。
「…ほんと?」
「ホンマ、ホンマ。エリカも気持ちいい顔してたよ」
エリカは顔を手で覆い、首を激しく左右に振った。
「いや、冗談だよ。嘘。ずっと寝顔を見ていただけだよ」
「…それも恥ずかしいよ」エリカは少し安心したのか手を離した。でもまだ恥ずかしいらしく俯いたままだった。
僕はエリカの腰に手をまわして側に引き寄せた。
コンビニに寄り、僕はオロナミンをエリカはハチミツレモンを買った。少しだけ公園による事にする。
「ラッコもかわいかったしオルカもヌルッとしてたね」
「うん、ライオンもカッコよかったね。乗り物は…だったけど」
「今度は迷路に入ってみたいわ」
…時計を見ると12時前になっていた。
「帰りたくないなぁ…」
「うん、僕も帰したくないよ」
僕はエリカを抱き寄せ何時間ぶりかのキスをした。
……。

エリカを家に送り届けて僕はひとり…家に帰った。

部屋に戻りシャツを脱いだ時に電話のベルが鳴った。電話に出るとエリカだった。
「うん?どうかした?」
「…ううん、少し…声が聞きたかったの」
「いいよ。僕だって…いつだってエリカと一緒にいたいよ」
僕はエリカと取り留めのない会話をした。

「朝…夜が明けたら…そっちに行ってもいい?」
「いいよ、もちろん。ホントは今すぐにでも抱きしめたい」

電話を切った後、僕は下に降りてお袋にお土産を渡した。
シャワーを浴びて眠ろうとした時にまた電話が鳴った。
「久しぶり、今、大丈夫?」
ハルホからだった。
「ああ、大丈夫。シャワー浴びようかと思ってた所。」
電話の内容は大検の受験科目だった。英語と簿記と政経は決めていたようだが理科の選択で迷っていたみたいだった。
「センターを受けるなら物理、化学が楽だと思うけど」
「まさか!ホントは小学校の先生になりたいんだけどね。教育大は難しいから幼稚園の先生か中学の先生になりたいのよ」
「だったら社会は日本史にして理科は1番簡単なのにすれば?」
「そして受験は英語、国語、日本史にすればいいんじゃない?」
「そっかぁ、ありがとうね」それからハルホと受験の話や近況を話し合った。
僕はエリカについては話さなかったし、当然だがハルホも聞いてはこなかった。
僕の中で−受験の事なら経験者の彼氏に聞けばいいのに?−という疑問はあったが、そこには触れないようにした。
「シンジに相談してよかったよ。ねぇ、…もしよかったら…暇な時に。シンジの暇な時でいいから勉強見てくれない?」
僕は一瞬…ほんの一瞬だが答えに迷った。
「あっ…うん。いいよ、僕でよければね」
電話を切ると僕はシャワーを浴びた。

ゴールデンウイークはあっという間に終わったけどミサネェは帰って来なかった。いや、帰ってはきてたのかも知れないけど…僕に連絡はなかった。
僕もミサネェの事を…ゴールデンウイークが終わるまで忘れていた。
ゴールデンウイークも終わり早々の模試でも感触というか手応えを掴んだ僕は少しだけ余裕が出来た。
千秋達も進路を決めたらしく、僕達は学校帰りに図書館やモスで勉強をするようになった。
今までは勉強会とは名ばかりで集中力が持続せずにすぐに世間話に花が咲いていたが、最近はオン、オフが
しっかり出来るようになってきた。
木曜日
久しぶりにエリカと学校帰りに三宮にくり出した。電車の中で今日は時間がないからテキパキ行動
しようと予定を話し合った。
「晩ご飯、何食べる?」
「シンジ君の食べたいのがいいよ」
「じゃぁ、エリカ定食。大盛りで!」
「な…何を言うのよ…」エリカは少し俯き加減で頬を赤く染めた。
「吉兵衛やったらすぐに行かないと間に合わないし、ラーメンは?」
「うん。ラーメンでいいよ」
「天竺園で五目焼そばか天一軒でトリとラーメン、それかもっこすか三馬力か」
「どこでもいいよ」
「うーん、じゃぁ早く用事が済んだらハーディーかラブダブでも行く?」
「それもいいかもね」

エリカは久しぶりの外食だし、僕と出かけるのも久しぶりだから何しても嬉しいって言ってくれた。
僕も、多分…僕もそうだった。だからいつもより少しおしゃべりだった。

三宮に着き、ジャンクショップやナイロン、タイガー等のショップを見ながら僕らは雑貨屋に入った。
その雑貨屋はハルホが働いている店だった。先に気付いたのはハルホだった。
僕とエリカは暫くの間、ハルホに気付かなかった。
「このバレッタ可愛いね。」
「うん。」
「でも、私の髪の毛じゃ無理だな」そう言ってそっと戻すエリカ。
「そうかな?」
結局、エリカは小さなピン留を選んでレジに持っていった。
エリカが財布を開いてお金を出している時に店員さんがハルホだと…その時、僕は気付いた。
ハルホはとっくに気付いているようだったが敢えて気付かないフリをしていた。
エリカは全く気付いていなかった。
「また、お二人でいらして下さいね」ハルホは笑顔でエリカに商品を入れた小さな袋を手渡した。
僕はどんな顔をしていたんだろう?滑稽なまでに引き攣っていたのは間違いなかった。

「……、ねぇ?」
「!?」
「大丈夫?さっきから上の空で…気分でも悪いの?」エリカが僕を覗き込むようにして話しかけてきた。
僕は慌てて現実に戻り
「あ、あぁゴメン。何か買い忘れがないか考えてた。」と、とってつけたような嘘をついた。
エリカは僕の単純な嘘に気付いたのか、気付かなかったのか…少し心配そうな表情を見せ、そして僕に笑いかけた。
「手、つないでもいい?」
「つないでるよ」怪訝そうな顔をする僕。
「うん。でも、言いたかったの」
結局、天竺園に行き水餃子に五目焼そばに五目焼き飯(エビ抜き)を食べたのだが、味はよく覚えていなかった。
帰りの電車の中、エリカは小さなピン留を取り出した。
「これ、似合うかな?」髪の分け目に合わせて僕に伺うように見せた。
「似合っているよ、かわいい」本当にかわいいと思った。
「よかった。あのお店かわいいね。また一緒に行ってくれる?」
「うん、もちろんだよ。」僕はそう答えるとさりげなく話題を変えた。
駅に着き、帰り道の途中いつもの公園に立ち寄り僕達はベンチに腰掛け、そしてキスをした。
エリカを送り届け、僕は自己嫌悪に陥りながら帰途についた。

土曜の午後
学校が終わるとそのままエリカと僕はそのまま僕の家に帰った。
エリカにオーレを用意し、僕はオロナミンを飲んだ。
少し雑談をし、僕はエリカをベッドに呼んだ。
部屋は明るかったが僕はカーテンを閉じる事なくエリカの唇を貪った。
エリカは少し驚いたようだったが、すぐに乱暴なキスを咎める事なく…僕に合わせようとしてくれた。
「う…うん」
「……」
僕はキスをしながらエリカのブラウスをのボタンを外し、少し乱暴に脱がした。
「ち、ちょっと待って。お願い、カーテンと電気…消して」エリカはやっとの思いで僕のキスから逃れ、懇願するような目で訴えた。
「ダメ…今日はダメだよ」僕はエリカのブラを上に持ち上げ少し乱暴に乳首にむしゃぶりついた。
「恥ずか…しい…よ」エリカは目をつぶりかすかな抵抗とイヤイヤの素振りを見せた。
エリカを布団でくるみ、僕はエリカの胸を揉みしだき首筋に舌を這わせた。
「う…うん…うぅ…」固く目を閉じながらもエリカの甘い吐息が漏れてくる。
僕はエリカにキスをしながらスカートを脱がせた。少しだけ腰を浮かして協力するエリカ…に僕は激しく欲情した。
「エリカも欲しいん…でしょ?」僕の声は残酷だったかも知れなかった。
「ち…違うよ…違うもん…」エリカの顔は真っ赤に染まった。
エリカの大切な部分に指を這わせる。…そこは既にヌルヌルに濡れていた。
恥ずかしそうに僕を見つめるエリカはその先は言わないでって目で僕に訴えかけていた。
そんなエリカを僕は壊したくて堪らなかった…。
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先生・生徒・禁断 | 【2017-07-14(Fri) 20:00:00】 | Trackback:(0) | Comments:(0)
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